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基本的な実践方法最近は日本でも音楽療法士という仕事が認知され始めていますが、音楽療法士に限った求人は全国で見てもまだまだ少ないのが現状です。国家資格である看護師、介護福祉士、作業療法士などと違い民間資格である音楽療法士は資格がなくても仕事ができるため、音楽療法士単体の求人はほとんどなく、医療や介護スタッフとして雇われたあとに音楽療法も行うというパターンが多いようです。しかし、音楽療法を行うには専門知識が不可欠ですし、演奏などの技術も必要です。音楽療法士の認定校も徐々に増えてきています。今はこれから音楽療法士という仕事が確立していく段階なのでしょう。アメリカやヨーロッパなどの諸外国では、もうすでに音楽療法士という仕事が確立されていて、音楽療法士としての求人も多い国はたくさんあります。残念ながら、日本ではまだその状態にはないようです。
前述のとおり、現状では音楽療法士としての就職先を見つけるのは難しいです。看護師、介護福祉士、作業療法士などの国家資格を持った人がそれぞれの業務にプラスして音楽療法を行っているのがほとんどです。そのため、音楽療法士の資格を取得したからといって就職が上手くいく保証はありません。また、もし募集があっても正社員や常勤での募集ではなく、低賃金でアルバイトやボランティアスタッフという場合も少なくありません。心理カウンセラーの資格を持って専門的に活動されている人もいますが、人の心に深く関わる仕事なだけに、きちんと専門知識を持ったほうが良いでしょう。
音楽療法は、演奏したり歌を歌ったりと音楽を使った場面がほとんどなので、音楽好きの人が多いようです。音楽によって自らも元気をもらったり、励まされたりと言った経験が志望動機になるケースも少なくありません。音楽療法の成果が出てくると対象者の生活がより良い方向に進みます。そうしたことは音楽療法士としてのやりがいにつながると思います。また、音楽療法士は多くの人と関わる仕事です。知識やスキルだけでなく人間性も重視されます。面接では、仕事への熱意だけでなく、真面目、誠実、温かさなどと言った人間性も見られていることを忘れないようにしましょう。
音楽療法士の求人は多いとは言えませんが、日本でもうつ病、自殺、いじめなどが問題視され関心が高まっています。高齢化社会が進み認知症患者の増加で、それに対応する専門スタッフの確保も急務となっています。このような時代背景の中、今後は音楽療法士のニーズも高まるものと思います。音楽療法士として就職を目指すなら、まずは資格取得を踏まえた専門知識の習得と、関連する医療系、福祉系の資格も合わせて持っていると有利になるでしょう。
音楽療法士の仕事内容を職場別に見てみましょう。例えば、特別養護老人ホームやデイサービスなどの高齢者事業所では、コミュニケーション促進や心身の活性化に加え、認知症ケアとしての音楽療法に注目が集まっています。一方、自立訓練事業所などの障害者事業所では、情緒を安定させて自己表現を引き出すような音楽療法が取り入れられています。児童事業所では、心身の発達、コミュニケーション技術の発達効果のある音楽療法が実践されています。医療機関では精神科に限らず、外科や内科でも音楽療法が活用されています。