資格を取得する方法

資格を取得する方法

資格を取るには

音楽療法士の資格を取るには、さまざまな条件を満たした上で、学会や民間団体による認定を受けなければなりません。認定機関は、日本音楽療法学会や全国音楽療法士養成協議会などが代表的です。他には、非営利団体や自治体が独自に行っている認定制度や大学などの卒業生が音楽療法士として認定される仕組みなどがあります。

日本音楽療法学会の認定試験に合格する

日本音楽療法学会で認定を受ける場合は、試験を受けなければなりません。まず、マークシート試験と小論文の試験があります。マークシート試験は、100分で選択式100問に解答します。小論文は、面接試験の口頭試験としても審査されます。提示されたテーマに対する解答を60分で作成します。続いて面接試験があります。実技試験と口頭試問があり、合計15分の試験になります。2020年には課題曲の弾き歌いを動画で提出する方法になりました。課題曲は、テンポの速いA群とテンポがゆっくりのB群から2曲ずつ選び、曲ごとに対象者や臨床場面の説明を要求されます。
認定試験を受けるには受験資格を得なければなりません。日本音楽療法学会が受験認定校として指定した学校の音楽療法専攻課程に入学し、必要なカリキュラムを修了すると受験資格が得られます。他には日本音楽療法学会が主催する講習会のすべてを受講し、かつ大学などでの音楽療法関連を各2単位以上、合計18単位を取得し、臨床経験を5年以上(音楽を使った臨床経験は2年以上)積み、学会参加や研究発表などで200ポイントを取得すれば受験資格を得ることができます。音楽療法関連の単位を取得していない人は、放送大学などで取得しても大丈夫です。
詳細は、日本音楽療法学会の公式サイトをご覧ください。

全国音楽療法士養成協議会に加盟する学校を卒業する

全国音楽療法士養成協議会に加盟している学校を卒業すると音楽療法士の称号が得られます。ただし、科目等履修生は音楽療法士の称号は与えられませんので注意が必要です。称号は、卒業した学校によって3パターンあります。大学院で91単位以上修得した「専修」、大学で95単位以上修得した「1種」、短大で53単位以上修得した「2種」です。

その他の団体で認定を受ける

NPO法人や教育機関が独自に音楽療法士の認定を行っている場合があります。取得期間やカリキュラムの内容などはそれぞれの認定機関によって違うので確認が必要です。また、受講する必要がある講座、認定基準、更新の有無なども認定機関によって異なります。受験をする前に必ず確認をしてから申込みましょう。
入門書としては、「音楽療法士になろう! 」がおすすめです。どの団体で認定を受けるにも必要な知識がまとめられています。

介護・福祉の現場で求められている

  • 仕事内容を職場別に紹介 仕事内容を職場別に紹介

    音楽療法士の仕事内容を職場別に見てみましょう。例えば、特別養護老人ホームやデイサービスなどの高齢者事業所では、コミュニケーション促進や心身の活性化に加え、認知症ケアとしての音楽療法に注目が集まっています。一方、自立訓練事業所などの障害者事業所では、情緒を安定させて自己表現を引き出すような音楽療法が取り入れられています。児童事業所では、心身の発達、コミュニケーション技術の発達効果のある音楽療法が実践されています。医療機関では精神科に限らず、外科や内科でも音楽療法が活用されています。